ヴィータのメンテ・タイミングベルト他

63000km走行のオペル・ヴィータ、とにかく早急に直すべき問題は次の3点、特に先の2点は致命的で、このまま走行し続けるとエンジンがパーになってしまう可能性大。
・ラジエターからの冷却水漏れ
・タイミングベルトテンショナーからの異音
・スタビリンクからの異音
1. タイミングベルトの交換
 欧州車のタイミングベルトとその周辺の耐久性は国産車に比べて大いに落ちる。5年、5万キロくらいでの交換が望ましい。国産車の約半分。
IMG_0218-2006-01-19-15-44.jpg
 手順は次の通り。
1.1 右タイヤ、フェンダーのインナーカバーを外す。
1.2 エアクリーナーのボックスを外す。
1.3 ファンベルトテンショナーを緩め(テコの原理でバネを緩める)、ファンベルトを外す。
1.4 オイルパンに木片を当ててエンジンをジャッキで支えて、右側のエンジンマウントを外す。
1.5 タイミングベルトカバーを外す。
 外した状態は写真の状態。
IMG_0224-2006-01-19-15-44.jpg
1.6 クランクシャフトプーリーを外す。 
IMG_0225-2006-01-19-15-44.jpg
 このままでは共周りしてしまうので、フライホイールに回り止めをする。フライホイールの位置は右側ドライブシャフトの付け根で、ギザギザのギア状のものが隙間から見えるので、大きいマイナスドライバーを差し込んで回り止めとした。
 長いスピンナでぐっと回せば、プーリーは外れます。
IMG_0219-2006-01-19-15-44.jpg
1.7 プーリーが外れたら、タイミングベルトカバーを上下外します。カバーの内側には摩耗粉がびっしりついています。
1.8 次にクランクシャフトにボルトを戻して、圧縮上死点に位置合わせをします。プラグを抜いておかないと、圧縮がかかってうまくまわりません。クランクシャフトは合わせマークがあります。カムシャフトはちょうど3時、9時の方向に一直線に揃うように合わせると、合いマークがあります。
IMG_0220-2006-01-19-15-44.jpg
1.9 ここで、カムシャフトの回り止めツールを装着します。これがうまくできないとカムが勝手に回ってしまい破損します。隙間が少なく、外れやすく、前回、ザフィーラの時には外れてしまいました。ヘッドカバーをあけての確認作業が入ってしまったので、今回はタイラップで固定しました。
1.10 次にカムシャフト、クランクシャフトともにベルトとプーリーの歯に合いマークをつけます。
1.11 テンショナーを緩めるとベルトが外れます。
1.12 2つのガイドプーリーも外します。
1.13 ウォーターポンプも外します。固着があって外れないので、しっかりした支点にバールをかけて外しました。ウォーターポンプ側はどうぜ交換ですから、プーリーにかけて外します。
IMG_0221-2006-01-19-15-44.jpg
1.14 外した部品です。テンショナーは、回すとベアリングの油ぎれでしょうか、カラカラと音がします。異音の原因です。
IMG_0222-2006-01-19-15-44.jpgIMG_0223-2006-01-19-15-44.jpg
1.15 ウォーターポンプは社外汎用品を購入したところ、形状がかなり違います。しかも、内径は合っているのですが、外形は合わず固定できません。しかたなく、アルミ板から大きめの押さえワッシャーを切り出して固定しました。固定の位置も、純正品はボルト位置に窪みがあるのですが、社外品にはありません。偏心の位置を確かめて、ボルト位置に印をつけてから装着です。
1.16 ガイドプーリーをつけたら、ベルトを掛けます。合いマークに合わせてかけたら、テンショナーを取り付け、固定します。すべて指定トルクで締め付けます。
1.17 テンショナーもついたら、クランクシャフトを2回転させて、合いマークを確認します。2回転させるのは、クランクシャフト2回転で、カムシャフトが1回転だからです。
1.18 合いマークの確認ができたら、ベルトカバーを装着して、クランクシャフトプーリーの取り付けです。指定トルクで締め付けた後、2段階の角度締めを行います。
1.19 せっかくですから、ファンベルトとテンショナーも同時交換でこれから安心して乗れます。
2. ラジエターの交換
 ラジエターの交換はボルトの脱着だけですから簡単です。一番面倒だったのは、ハーネスの脱着で、クリップを外して行います。ATクーラーラインを外しますが、このパッキンを用意し忘れておりました。ヤナセで翌日入荷ということで注文して取り付けました。
 ラジエターの交換の際、アッパーホースに膨張があり、その部分に汚れが堆積していましたので、アッパーホースも併せて交換です。時間を急いでいたので、写真はありません。
3. スタビリンクの交換
 走行中、段差を越えると、ガタガタとうるさいです。これはスタビリンクのガタです。
IMG_0226-2006-01-19-15-44.jpg
 見てみると、ゴムが切れています。外すには18mmのスパナと18mmのボックスが必要です。
 交換部品はなぜか17mmと19mmになっています。これで段差の異音も解消。
 今回部品はすべてebay.ukでの入手です。落札から10日から2週間で届き、送料を入れても日本価格の1/5-1/3程度で、ポンド・ユーロが安い昨今、メンテナンスの部品代は日本車よりも安くなります。